リスボンから北へ大西洋に沿って20キロ走ると、ビッグママと呼ばれる35メートル以上の高波がポルトガル出身のサーファー、ヒューゴ・バウからアメリカ人サーファー、ギャレット・マクナマーラまで世界中のサーファーを惹きつけるナザレの村に着きます。
このような318メートルを超えると言われる高波が押し寄せるのは、ポルトガルの沿岸の海底には、230キロに渡って深さ5キロの海底山脈が通っているからです。大西洋の風に吹かれた高波は、サーファー達が待つプラヤ・ド・ノルテの周辺に押し寄せ、このエリアではダイナミックな景観を楽しめます。
静かな漁村
サーフィンに興味がなくても、ナザレの海は大変魅力的です。この小さな漁村は、他にも訪れる価値のある場所です。まずは、昔ながらの風景が今も残されています。カラフルな漁師達の船、土曜の午前中に開かれる市で魚を売る人たちの大声、アヴェニダ・マルジナル沿いのカフェやレストランなど。
ソウザ・ラボ通り108番地のカーザ・ムゼウ・ド・ペスカドールを訪ねると、この村の業業の歴史に触れることができます。昔の建物を修復した小さなコテージで、漁師の家にいるような雰囲気です。
もうひとつこの村の伝統といえば、ナザレの7枚のスカートがあります。この村の漁師達は今もカラフルな7枚重ねのスカート履いています。7枚は1週間を表し、虹から色がとられていますが、他にも7に関係する聖書の話や神話にまつわるという説もあります。もっとも合理的な説は、寒さから守るためという話です。頭に巻く黒いスカーフ、伝統的なシューズとともに、7枚重ねのスカートはこの村の伝統です。