湖の水は、さまざまな建築様式と革新的なエンジニアリング技術に基づいて過去150年間に建設されたあらゆる形状の高層ビルと対照を成している。観る者はその美しさに心奪われ、その起源がいかなるものかを忘れてしまう。大火が都市の3分の1を破壊した1871年以降、2021年セント・レジス・シカゴ落成の日まで、150年の歴史が展開されてきた。 ビスタ・タワーとしてよく知られているこの101階建て、高さ365メートルの超高層ビルは、女性建築家のジーン・ギャングが設計した中で最も高い建築物だ。その間には、沼沢地であるにもかかわらず、驚異的な構造工学の偉業を成し得た物語が輝いている。実際、不利な土壌であることによって、建築家やエンジニアはますます革新的なソリューションを開発する必要に迫られた。結果それが世界中で手本とされ、利用されている。地面、風、そして夏と冬の凄まじい気温の変化、そのような不利な条件を持っていなかったならば、建物の壁や骨組みを軽くすると言ったような創造的な解決策は想像だにできなかったことだろう。超高層ビルはシカゴで発明されたのだ。建築の国際的な歴史におけるその印は永遠に残るだろう。
The Rookery(ザ・ルーキー)
荘厳かつ巧みな、大理石、テラコッタ、レンガの濃い赤の組み合わせは、209 South LaSalle Street、金融地区の中心部でその存在を際立たせている。ダニエル・H・バーナム(1846–1912)とジョン・ウェルボーン・ルート(1850–1891)によって設計されたこの建築物は、最初のシカゴ流の優れた商業ビルとして知られている宝石だ。落成の年である1888年以来、注目を集めている。1907年以来、建築界のスーパースター、フランク・ロイド・ライトによって設計された、湾曲した二揃いの豪華な装飾が施された階段を備えた、明るいアトリウムのアールヌーボー様式のタッチにより、誰もが魅了されてきた。
もちろん、その11階建ての建物は、20世紀に建てられた高層ビルと競合することはないが、かつては世界で最も高い建築物の1つであり、1871年に火事で事実上破壊された街の再生の象徴なのである。
Tribune Tower(トリビューン・タワー)
435 North Michigan Avenueの活気あるスポットには、1925年に竣工した、高さ141メートルの超高層ビルがある。その魅力、美しさ、そして重要性は実に際立ったものだ 。ネオゴシック様式のトリビューン・タワーは、フランスのルーアン大聖堂のそれと似た王冠が立つ上部を囲む装飾を施した控え壁がある。
ホールの壁にあるベンジャミン・フランクリン、ヴォルテール、トーマス・ジェファーソン、ジェームズ・マディソンの言葉が、報道の自由を称賛し、賛美している。その36の物語はジャーナリズムにおいての寺院であり、その絶頂期から現在のダウンサイジングまで、報道機関の力の比喩を表している。新聞の役割は確かに変化し、2018年以降、建物全体を豪華なコンドミニアムに改造する作業が開始された。
Willis Tower(ウィリス・タワー)
モダニズムスタイルのシアーズ・タワーが存在感を放つシカゴのスカイライン。この黒いアルミニウムとブロンズ色のガラスは、1969年にデパートチェーンのSears, Roebuck(シアーズ・ローバック) and Co.から委託され、1973年に竣工した。 2009年、ロンドンを拠点とする新しい所有者であるウィリス・グループ・ホールディングスの名前に ちなんでウィリス・タワーと改名された 。
高層ビルの高さにおいて、シアーズ・タワーは1998年まで25年間世界記録を保持していた。今日では、高さ442メートル(アンテナを考慮すると541メートルに達する )で、シカゴで最も高い超高層ビルであり、ニューヨーク市の1 ワールドトレードセンター、セントラルパークタワーに次ぐ米国で3番目に高い高層ビルとなっている。
875 North Michigan Avenue(ノース・ミシガン・アベニュー)
本当の魅力は、『Tilt』 。鉄骨フレームで支えられたガラスのプラットフォーム で、勇気のある者に空間を見下ろす景色を提供している。875ノース・ミシガン・アベニュー は、シカゴで5番目に高い超高層ビルだ。100階建、高さは344メートル。 保険会社にちなんで、2018年までジョン・ハンコック・センターとして知られていた。1968年に竣工したこのビルは、巨大なXが人目を引く。