ローザズ・ラウンジは、1978年にミラノでジュニア・ウェルズそしてバディ・ガイとの出会いで衝撃を受けたイタリア系移民トニー・マンジュッロによって設立された、古典的な家族経営のラウンジバーである。そのインスピレーションは、Theresa's Lounge(テレーザズ・ラウンジ)に由来するものである。客達が「毎晩家では決して味わえないような音楽を聴き、飲んだり、歌ったり、楽しんだりした」ブルース揺籃の地の1つである古い場所だ。トニーは、成功を収めた彼の冒険についてアメリカへと渡って来た母親であるローザに敬意を表し、1984年にクラブをローザズ・ラウンジと名付けた。
The Green Mill(ザ・グリーン・ミル)
4802 North Broadway
ブロードウェイとローレンスの間の街の北部位置しており、正午から午前4時まで年中無休で営業している。ザ・グリーン・ミルは、伝説的な歴史を背景にもつ、典型的なシカゴのジャズスポットである。ここに漂う雰囲気は、1900年代初頭へとタイムスリップさせてくれる。ライト、ドレープ、大きなスモーキーミラー、そして数多の魅力がここにはある。1907年のオープン当初は、所有者にちなんで名付けられ、Pop Morse's Gardensと呼ばれていた。1910年に、ザ・グリーン・ウィンドミルのアイデアを思いついたトム・チャマレスの手へと渡り、その名をグリーン・ミル・ガーデンへと変えた。パリの名高いムーランルージュに着想を得たものだが、近くの歓楽街の活動との混同を避けるために緑色が選ばれたのだ。しかし、チャマレスは聖人ではない。ザ・グリーン・ミルを潜り酒場にしたのである。つまりアルコール飲料を違法に販売する商業施設だ。禁酒法の時代に非常に人気を博していた場所である。この選択が、マフィアからこのラウンジバーを借りることへと行き着かせる結果となった。アル・カポネ は、ザ・グリーン・ミルに足繁く通い、アルコールとジャズに加えて、クラブの正面玄関と裏口の両方を見ることができる彼の専用のテーブルをお気に入りとしていた。しかし、真の伝説はというと、ザ・グリーン・ミルの下からブロードウェイの反対側に到達する一連のトンネルへとアクセスできる秘密の扉にある。秘密の扉が実際に存在していても、ビリー・ホリデイ、トミー・ドーシー、ソフィー・タッカー、クリフォード・ジョーダン、ベニー・グッドマンが舞台で演奏していた姿を観ていた過去のように、現実と伝説が頭の中で交錯する。
Subterranean(サブテレーニアン)
2011 West North Avenue
SubTとしても知られるこのスポットは、2階にキャバレースタイルのステージ、下にはもっとくつろげる、実験的なパフォーマンスを楽しめるスペースを擁している。ここでは毎晩ライブショーがあり、ヒップホップ、ハウス、レゲエゴールド、DJセット専用のスケジュールが組まれている。1890年以来この建物には特別な歴史がある。売春宿、浴場、そしてWicker Park Tavernへの道と交差するトンネルを通って逃げる準備をしたギャンブラー達の待ち合わせ場所だ。過去数十年の間に、ラウンジバー、派手なレストラン、モダンなクラブがいたるところに出現したが、サブテレーニアンはその長い歴史の魅力に乗じることにした。その結果、実にユニークで、強い個性を持った場所が生まれたのだ。木曜日の夜は、レゲエ、レゲトン、そしてワールドミュージックに合わせて踊るレゲエゴールドナイトだ。火曜日は、米国で最も長く続いているヒップホップ・オープンマイクのベンチマーク、水曜日にはヒップホップDJイベント、金曜日にキャバレーが開催される。
The Hideout(ザ・ハイドアウト)
1354 West Wabansia Avenue
リンカーンパークとエルストン産業回廊のバックタウン地区の間の産業地帯にあり、近隣の工場で働く労働者向けのかつてのゲストハウスにひっそりと佇むこのミュージックパブには、イベントやライブミュージックの素晴らしい歴史がある。正式なオープンは1934年にさかのぼるが、それ以前は禁酒法の時代に、違法な飲み物を提供する場所として知られていた。以来、ザ・ハイドアウトは常に新しい音楽ムーブメントのランドマークであり、21世紀にはオルタナティブロック、インディーズ、フリージャズ、ポストカントリー、パンク、ポストロックのパラダイスへとなった。音楽、アート、パフォーマンス、演劇、詩、ロック:「ザ・ハイドアウトはお父さんのバーではなく、おじいちゃんのバーです。おじいちゃんが若くてクレイジーだった時分に通っていたバーです。おじいちゃんはあなたのお父さんからその過去を隠すために最善を尽くしました、しかしあなたに見つかってしまったのです。」とそのウェブサイトは言う。
Empty Bottle(エンプティー・ボトル)
1035 North Western Avenue
ここは、都会的で世界的なインディーロックの真の学び舎だ。古いレコード店にいるような印象を受けるが、音楽と飲み物は一流だ。クラブには、ステッカーや落書きで覆われた手洗い所から、スクリーン印刷された古いショーのポスター、喫煙が許可されていた頃から壁に染み付いたニコチンまで、独特の雰囲気と装飾が目に入る。「俺達の生活の中で最も記憶に残った夜のいくつかは、この場所で過ごしたものだ。安い飲み物と、爆音の音楽以外に何かあるというんだ?ほかに何がある?コミュニティか?俺達が崇高さを求めてやって来るところだと考えるのは奇妙かもしれないが、たくさんのやつがそれを求めてここに来るんだ」。これがシカゴの雑誌Readerがエンプティー・ボトルについてコメントした言葉だ。