施釉磁器モザイクタイル発祥の地にして、全国一の生産量を誇る多治見市に2016年オープンした「多治見市モザイクタイルミュージアム」は、その名の通り「モザイクタイル」をコンセプトにしたユニークな博物館です。
設計は、独創的な建築で世界的な評価の高い建築家、藤森照信氏が手がけました。タイルの原料を掘り出す「粘土山」を思わせるユニークな外観は、とても不思議な印象を与えます。膨大なタイルのコレクションを基盤に、展示物にも趣向が凝らされ、この地域で培われてきたタイルの情報や知識、そして技術を発信し、タイルを使った工作体験ができる工房も備えています。
必ずしも著名な建築物に施工されるわけではないモザイクタイルは、多くの場合、老朽化した建築物とともに廃棄されていきます。そのような中から建築物の解体情報を聞きつけては譲り受け、閉鎖される工場からタイルのサンプルを引き取って収集が続けられてきました。
モザイクタイルミュージアムでは、1万点を超えるコレクションの中から、モザイクタイルが貼られた家庭の風呂場など生活用品、見本台紙やタイルの製造機械などを見ることができます。