20年以上前にデザインされたロメオ・ジッリの服を持っている人は、その現代性が故に今でも愛着を持って着ていることでしょう。2004年には彼自身のブランドは人手に渡ってしまいましたが、時流に流されないデザインは彼の存在をいつも変わらずユニークなものにしています。
ロマーニャの貴族の家庭に育ち、本や音楽、テーラーメイドの服などに囲まれていた彼は意図せずデザイナーになりました。1988年にパリで行ったファッションショーは伝説的なもので、世界のファッション界の寵児となりました。
今日でも彼は活動を続けています。最新の仕事はエッグスのためのイブニングウェアのコレクションと、モーツァルトの歌劇ドン・ジョヴァンニのための舞台衣装です。
そんな彼に話をうかがいました。
アンティークな本を販売することを家業とする家で育ち建築を学び、その後ファッションの世界に進みましたが、このような複雑の文化的背景はあなたにどんな影響を与えましたか?
RG: 19歳まで私は、義務教育以外に、アンティークのセラーになるための教育を受けていました。父は古書のコレクションを持っていましたので、それらを通して16世紀から19世紀の文化について多くを学びました。その後、建築の学校に入ったのですが、卒業はしませんでした。両親が亡くなったためです。酷いショックを受けてしまったんです。それで旅に出ることにしました。それからの10年、私は旅を続けました。それこそ、世界中を廻りました。その間に工芸品や民族衣装、カーペットや彫刻などを買い揃えました。これら全てがその後の私のインスピレーションの源となりました。
ファッションとは、形状と装飾のコンビネーションから成り立つのだと思いますが、この二つについてどのようにバランスを取っているのでしょうか?
RG: 形状は非常に難しいものです。最初のコレクションをデザインするときに一番苦労したのは時代を超越した形状を作り上げることでした。私の最初のコレクションは1983年に発表したものですが、時々人から、あのときの服を今でも愛用しているといわれることがあります。この時代においてもそれらはまだ現代的であり続けているからです。