全国各地に名湯は無数にありますが、その魅力は美肌、古湯、秘湯、薬湯とさまざま。
宿の美しさももちろんですが、効能を知った上で選ぶ温泉はワンランク上の癒しの旅になります。全国各地の名湯から、特に湯治として知られる温泉や、武将たちが戦の傷を癒した温泉をご紹介します。
「薬湯」とは、漢方などの生薬や薬剤を入れた風呂、または温泉の療養泉の効果が発揮された風呂のことを意味します。「薬湯」や「湯薬」とも呼ばれ、体の不調を整える湯治目的のためのお風呂です。また血行を促進したり、湯冷めをしない効果があるとして、老若男女さまざまな人たちに愛されています。
日本三大薬湯は、江戸時代の資料「諸国温泉効能艦」によると、群馬県の草津と兵庫の有馬、そして新潟の松之山と記されています。効能で知られる名湯をご紹介します。
草津温泉
日本三大名湯のひとつとされ、湯もみ唄で有名な群馬県の草津温泉は、1200mの高所に位置し、pH値2.1という日本有数の酸性度を誇る温泉で、慢性的な皮膚疾患や神経痛、擦り傷などに効能があるという強い殺菌効果を持つ湯質です。
湯畑の周りには「草津に歩みし百人」と題した歴史上の偉人や武将たちの名前がずらりと並んでいます。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)、源頼朝、木曾義仲に始まり、江戸時代には小林一茶、佐久間象山など日本を代表する著名人ばかりです。
無料で入れる共同温泉も18カ所あります。そして源泉かけ流しを楽しめる歴史的な名湯です。
https://www.kusatsu-onsen.ne.jp
下呂温泉
同じく名湯とされる岐阜県の下呂温泉は、飛騨の山々、飛騨川沿いにあり、癒される展望も人気の理由のひとつです。織田信長と深い関わりがあり、「羽渕家家系図」という系譜にも記されています。1578年飛騨をほぼ制圧下においた信長は、下呂温泉に湯治に出かけたとされています。
泉質はpH値9.2という強いアルカリ性の単純泉です。少しトロッとした質感で素肌に膜をはるように肌がすべすべになり、美肌効果がありますが、もっとも重要な効果は冷え性や筋肉痛への効能です。
https://www.gero-spa.com