その地下を流れる硫黄泉は、2千年以上も前から有名です。古代の時代にはすでに名の知れていた温泉をこの地に建設したローマ人たちが利用していたのは間違いありませんが、おそらく彼ら以前に、ケルト人がすでにこの自然の恵みを活用していたようです。
バース(後にサクソン人によって与えられた名前)は昔から中心的な温泉地ですが、イングランド南西部のサマセット郡のこの美しい小さな町を、坐骨神経痛の治療が必要な年金生活者のための場所と考えるのは致命的な間違いです。
ブリストルから車で30分あまり、ロンドンからは数時間(またストーンヘンジからは1時間)のこのユネスコ世界遺産には、ジェーン・オースティンが生きたロマンチックな場所やジョージアン様式の雰囲気、イギリスの田舎の典型的なパブを体験しようと毎年何千人もの観光客が訪れています。
ジェーン・オースティンセンター
ゲイ・ストリート40番
間違いなくバースの歴史上、最も有名な市民だったジェーン・オースティンは、それを活かし、この町を自らの最後の小説「説得」の舞台としました。この作家のファンにとって、ジェーン・オースティン・センターは見逃せません。1800年代の服装に身を包んだガイドが、皆に愛されているこの作家の生活の中心へと訪問者を導きます。またここには、3年かけて綿密に制作されたジェーンの蝋人形もあります。主人公の生活を身をもって体験したい方なら、リージェンシー様式のドレスを身にまとい、リージェンシー・ティールームでコーヒーを飲むこともできます。
New Royal Bath - メインのスパ
ホット・バス・ストリート
バースの最も特徴的なスポットの1つですが、それだけではありません。バースで温泉巡りをするのは当然ながら、屋上の屋外プールへのアクセスという素晴らしいチャンスがあり、水温が摂氏34度前後と安定していることから、季節を問わず入浴できるのです。食前酒を片手に、屋上プールで過ごす日没後のひとときは、魅惑的な体験となることでしょう。